行政法・公法の本

2013-05-17 櫻井先生・橋本先生の「行政法」

行政法の一般原則の内、「比例原則」について気になったので調べてみました。

行政法の比例原則は、「警察比例の原則」に由来します。
ここでいう「警察」は、「○○県警察」など一般用語としての警察ではなく「社会公共の秩序を維持する行政作用全般」とのことです。

そういえば、とある講演会で、労働基準監督署での勤務経験がある先生の発言に「労基署は、あみがしらだから」というのがありました。
「署」という漢字の部首は「あみがしら」、「罰」という漢字に通じます。
つまり「警察署」のように、労基署も「署」なのでいざとなれば法律に基づく取り締まりという伝家の宝刀があるというのです。
話しが脱線しましたが、行政法上の「警察」は特別な意味があるんですね。

この「行政法」の本は、基本書として1冊で行政救済法まで「簡潔に」まとめられています。
行政書士仲間でも使っている人が複数いるので、お勧めです。

個人的には、少し詳しい解説を読みたいときには、やはり大橋洋一先生の「行政法―現代行政過程論」も参照します。

「行政法 第3版」櫻井敬子・橋本博之著 弘文堂 2012 ¥3300

2013-05-16 「要説 地方自治法」

行政不服審査法における不服申立制度に関連して、地方自治法第255条の2にある規定について調べようと思いました。

同法255条の2には、法定受託事務にかかる処分または不作為に不服のある者は、行政不服審査法による審査請求ができる旨規定されています。

「法定受託事務」というのは、地方自治体(条文上は地方公共団体)の事務のうち、
国等が本来果たすべき事務で、国による適正処理を特に確保する必要がある事務
とのことです。(地方自治法2条9号)

不服申立との関わりは、
○行政不服審査法による審査請求には、上級庁の存在が必要。
○しかし法定受託事務には、上級庁は制度上存在しない。
○かつての「機関委任事務」の場合は、国が上級行政庁であったので、審査請求が可能だったのに、法定受託事務になったことによって審査請求ができなくなったのは不都合。
○そこで、地方自治法255条の2という特別規定を置いて、審査請求ができるようにした。

とのことです。

地方自治法について詳しく調べたい場合は、この「要説 地方自治法」が頼りになります。
もっとも、ぼくが持っているのは2004年の第3版ですが、現在は第8版と、頻繁に改訂されています。

「要説 地方自治法 第8次改訂版」松本英昭著 ぎょうせい 2013 ¥5600

2013-03-10 「行政判例百選」

昨年、日本行政書士会連合会主催の「行政法特別研修」を受講するために買いました。
行政訴訟の勉強には、やはり判例集は必須ですね。
ところが第5版を買った直後、第6版の販売が始まり、ちょっと残念です。

「行政判例百選1,2」第5版 有斐閣 2006 各¥2200  (現在第6版)

2013-02-27 国際法のテキスト

ここ2年くらい、国際法に興味を持つようになりました。
「国際私法」であれば入管業務を行う行政書士に密接に関わってくる分野なので、以前から参考書を読んできました。しかし「国際法」の分野は、「入門書を買ったことがあるような…」という程度の認識でした。

そこで東信堂発行の「国際法」という本を買って読んでみました。
国際法の「根拠」としての条約、国際法が研究対象とする国家、国際機構、領域、海洋、経済法、環境法、安全保障…どうして今まで関心を持たなかったのかというくらい、興味深い分野が多くあります。
なかでも「海洋」分野に興味を引かれました。

特に「個人と国際法の関わり」というテーマは、入管業務にも深い関連があるようです。といいますか、移民や難民など、国際法の視点を持つことでまた違ったものの見え方がすると思います。

この本は国際法の最初の一冊=テキストとして充分詳しく書かれているので選びました。お勧めします。

「国際法」浅田正彦編著 東信堂 2011 ¥2900

2013-02-26 「行政法Ⅱ 現代行政救済論」

こんばんは、行政書士の桑田です。
昨年、日本行政書士会連合会主催の「行政法特別研修」を受講しました。90分3コマを8日間、の本格的な研修です。

この研修では、とくに行政事件訴訟法における「原告適格」に関して詳しく勉強しました。

例えば(行政庁に)許可申請をしたところ不許可となった場合、不許可処分を受けた人(企業)が行政事件訴訟における原告適格を有している(処分を不服として裁判所に訴え出る)点は問題が無いのですが、不許可処分を受けた人以外の第三者には原告適格があるか、という問題です。

行政法特別研修に申し込んでから、この本を買いました。 以前から同じ著者の「行政法 現代行政過程論」を読んでいたからです。

原告適格に関する記述を繰り返し読むと、納得するところもあれば、「そういう理由付けですか?」と思う点もありますが、それもまた勉強です。「行政法1 現代行政過程論」とあわせて、おすすめの行政法テキストです。

「行政法2 現代行政救済論」 大橋洋一著 有斐閣 2012 ¥3600

2012-02-05 有斐閣アルマ 「憲法」

行政書士試験に合格した皆さんは、しばらくは憲法の本など読みたくないと考えている人もいるかも知れませんね。

今月、入門書シリーズ「有斐閣アルマ」の「憲法1,2」を買ってみました。 行政法や国際法の本を読んでいるのですが、行き着くところは憲法だと思ったからです。そういえば、もう何年も憲法の本を読んでいません。

最近の入門書って、法律書に限らず、面白い本が多いですよね。 「憲法2 統治」を読み始めましたが、この本も実例が豊富で読み易く、お勧めです。

法律の基本書でもさすがに10年以上経てば内容が変わるでしょうし、今さら有名教授の教科書にこだわる必要も無いです。読み易い本の方がいいと思っています。

「憲法1 人権」「憲法2 統治」 渋谷秀樹、赤坂正浩 著 有斐閣アルマ 2010第4版 ¥2100、2205

2010-10-31 行政法の教科書「現代行政過程論」

個人的に、行政法に関しては「行政法-現代行政過程論-」を「教科書」としています。

まず、読みやすいということがあげられます。
…昔の行政法の教科書って、「行政法という名前の法律はない」とか「特別権力関係」とか、面白くなかったですよね。(そもそも、2000年の「地方分権一括法」以前に書かれた教科書は、今さら読んでも…という気もします。)

この本は、「市民と行政の関わり」という視点から書かれた、今の時代の教科書だと言えます。法律科目としての行政法と、公共政策学としての行政法を視野に入れている点も、新しい教科書と言えます。お勧めです。

「行政法-現代行政過程論-」 大橋洋一著 有斐閣 2009 ¥3600

(以上、2014年6月18日移転掲載)

 

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